リュウキュウサンショウクイ
最近は本州にも生息域を拡大中

- 分類
- スズメ目サンショウクイ科
- 渡り区分
- 留鳥
- 体長
- 20cm (スズメよりやや大きい)
- レッドリスト
- 絶滅危惧II類(VU)
沖縄県や南西諸島、九州南部に留鳥として生息するリュウキュウサンショウクイ。もともとは南西諸島に限られた鳥でしたが、最近では四国や本州にも生息地を拡大しています。1980年代後半から分布が北上し、関東での記録も増えているそうです。
サンショウクイという名前を聞くと「山椒を食べるのかな?」と思いがちですが、実際には昆虫を捕食する動物食の鳥です。名前の由来は、その鳴き声が「ヒリリー」と聞こえ、山椒のピリリとした刺激を連想させることから名付けられたのだとか。
サンショウクイとの違い

リュウキュウサンショウクイは、サンショウクイの亜種で、非常によく似ています。ただ、見分けるポイントはいくつかあり、
• 目の周辺に白いラインがある(サンショウクイにはない)
• おでこの白い部分が狭い
• お腹が灰色(サンショウクイは白っぽい)
このページの個体はお腹が灰色だったので、リュウキュウサンショウクイと判別しましたが、どうでしょうか?
実際の識別はなかなか難しく、じっくり観察する必要がありそうです。
市街地にも適応するサンショウクイ

サンショウクイは、基本的に山林を好む鳥ですが、リュウキュウサンショウクイはより市街地に近い場所で巣を作る傾向があるそうです。巣のサイズも本家サンショウクイより小さく、産卵数も約半分と少なめ。都市環境にも適応しながら、少しずつ分布を広げていることがわかります。
参考:
嵩原建二 「沖縄島で留鳥として生息する貴重な3亜種の繁殖記録について」
植村慎吾「決定版 見分け方と鳴き声野鳥図鑑350」
高野伸二「フィールドガイド日本の野鳥」