シマキンパラ
沖縄に住み着いた縞模様の外来種

- 分類
- スズメ目カエデチョウ科
- 渡り区分
- 留鳥
- 体長
- 11cm (メジロよりやや小さい)
- レッドリスト
- 低危険種(LC)
シマキンパラは中国南部や台湾、フィリピン、東南アジアに広く分布する鳥で、本来沖縄には生息していなかった外来種です。もとは愛玩用・観賞用に輸入された飼い鳥でしたが、逃げ出したり飼い主によって放された個体が野生化し、1988年に沖縄で初めて確認されました。
その後、南西諸島での記録が増え、現在では奄美大島以南の農耕地や草地で普通に見られるようになっています。街路樹やアダンの基部などに球形の巣を作りながら定着し、一年中観察することができます。
名前の「シマ」は沖縄由来ではない
沖縄では「島豆腐」「島酒」のように沖縄独自の伝統文化に関わるものには「シマ」がつく言葉が多く、シマキンパラの名前も沖縄の鳥のようですが、この「シマ」は沖縄とは無関係で、実際は腹部にある縞模様に由来して名付けられています。
群れで行動し、分布を広げる
シマキンパラは群れで行動することが多く、他のカエデチョウ類と大きな混群を形成することもあります。食性は草本の種子や果実、昆虫などを食べる雑食性です。
沖縄で定着したシマキンパラですが、最近では神奈川県でも目撃されており、徐々に分布を北へ広げている可能性があります。今後、日本全国で当たり前にいる鳥になるかもしれません。
ちなみに、ペットから野生化した鳥には、同じカエデチョウ科の仲間にはブンチョウがいます。
参考:
国立環境研究所「侵入生物データベース」
植村慎吾「決定版 見分け方と鳴き声野鳥図鑑350」
高野伸二「フィールドガイド日本の野鳥」