沖縄野鳥

コサギ

品の良さを感じる小さめの白いサギ

コサギは主に九州から本州にかけて留鳥として繁殖し、北海道では夏鳥、沖縄県を含む南西諸島では冬鳥として訪れます。沖縄では、北風「ミーニシ」に乗って渡ってきて、9月から6月頃まで見られる鳥です。昔はもっと多く見られたそうですが、全国鳥類繁殖分布調査では記録地点が激減しており、個体数が減少していることがわかっています。沖縄県内ではいつも見かけるので、個人的にはそのような印象はありませんでしたが。

減少の要因の一つとして、水田や河川などの餌場の減少が挙げられます。特に小規模な河川ではコンクリート護岸が多く、コサギが狩りをする環境が失われつつあります。しかし、最近ではコサギが利用するような小規模な河川で、環境回復と治水の両立を目指し、川幅の広い護岸に整備する取り組みが進められているそうです。こうした環境改善が進めば、沖縄でもより多くのコサギが渡ってくるかもしれません。

コサギ 2025.02.11 漫湖(沖縄県豊見城市豊見城)
2025.02.11 漫湖(沖縄県豊見城市豊見城)
コサギ - 2025.02.11 漫湖(沖縄県豊見城市豊見城)
2025.02.11 漫湖(沖縄県豊見城市豊見城)
コサギ - 2025.02.11 漫湖(沖縄県豊見城市豊見城)
2025.02.11 漫湖(沖縄県豊見城市豊見城)
2025.02.11 漫湖(沖縄県豊見城市豊見城)
飛ぶ時は首を折りたたむ - 2025.02.11 漫湖(沖縄県豊見城市豊見城)

独特な餌取りスタイル

コサギの獲物を探す様子 - 2025.02.11 漫湖(沖縄県豊見城市豊見城)
獲物を探す様子 - 2025.02.11 漫湖(沖縄県豊見城市豊見城)

コサギはさまざまな方法で餌を捕らえますが、中でも特徴的なのは、水中で脚を小刻みに動かして餌生物を追い出し、それを捕らえる狩りのスタイルです。ゴイサギのようにじっと待つタイプとは異なり、積極的に動きながら餌を探します。ただし、渡りの前に繁殖地でしっかりと栄養を蓄えるため、沖縄ではあまり熱心に餌を探している様子は見られないとも言われています。脚を使わずにパックと食べる姿はよく見ます。

見分けやすい特徴

コサギは、チュウサギやダイサギと似ていますが、冠羽があったり、足先が黄色かったりと、個人的には一番見分けやすいと思います。飛ぶときには「ゴァー」という大きな声で鳴くため、声を頼りに見つけることもできますし。

神秘的なコサギ - 2025.02.23 水路(沖縄県豊見城市与根)
神秘的に佇む - 2025.02.23 水路(沖縄県豊見城市与根)

サギのなかでも一際エレガントで、気品のある姿。
逆光に照らされてる姿はちょっとドキドキします。

参考:
植村慎吾「決定版 見分け方と鳴き声野鳥図鑑350」
国立科学博物館「鳥〜ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系譜〜」
高野伸二「フィールドガイド日本の野鳥」
漫湖水鳥・湿地センター「漫湖いきもの図鑑」
琉球朝日放送「越冬サギが羽地内海に飛来」

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