沖縄野鳥

カルガモ

ヒナとお散歩する先端が黄色い嘴のカモ

カルガモは、日本全国に分布する留鳥で、市街地でも繁殖することがある身近なカモです。
沖縄県内でも各地で観察され、沖縄島や八重山諸島、大東諸島、宮古諸島では少数ながら繁殖も確認されています。また、冬には冬鳥として渡ってくる個体も見られ、年間を通じて出会うことができます。北海道では夏鳥です。

しっかりとした足取りで歩くカルガモ
しっかりとして足取りで歩く - 2024.02.16 比屋根湿地(沖縄県沖縄市泡瀬)

淡水域を好む淡水カモです。
汽水(淡水と海水の混合)域にもいますが、淡水域を好む傾向があるそうです。淡水のカモは、海のカモよりも体が長く足が体の中央にあるため、陸上を歩くのが比較的得意とされています。

嘴の先の黄色が識別のポイント

特徴的な嘴の色と足のカルガモ
特徴的な嘴の色と足 - 2024.02.16 比屋根湿地(沖縄県沖縄市泡瀬)

カルガモは比較的大型のカモで、雌雄の体色はほぼ同じですが、つがいで並ぶとオスのほうがわずかに体色が濃く、特に尾の上下部分が黒っぽく見えます。メスはやや小柄で全体的に淡い色合いをしています。カルガモはマガモと遺伝的に非常に近い種類です。ちなみにカモの仲間は一般的にメスのみが育雛します。そのため、カルガモもひなを連れているのはメスだそうです。
カルガモの特徴は「嘴の先端が黄色い」ことです。これを覚えておけば、ほかのカモと識別する際に迷うことはないそうです。ちなみに足も鮮やかなオレンジ色。

餌の探し方

逆立ちして餌を探す - 2024.02.16 比屋根湿地(沖縄県沖縄市泡瀬)
逆立ちして餌を探す - 2024.02.16 比屋根湿地(沖縄県沖縄市泡瀬)

カルガモは水面を嘴で音を立てたり、首を水中に突っ込んで逆立ちするような姿勢で植物を食べます。この姿勢は「逆立ち採餌」と呼ばれ、カモ類に特徴的な動作のひとつです。
さらに、潜水することもあり、水中の植物や小さな生き物を捕ることもあります。春先には干潟でカニをよく食べる姿が観察され、意外にも動物食の一面を持っているみたいです。

参考:
植村慎吾「決定版 見分け方と鳴き声野鳥図鑑350」
高野伸二「フィールドガイド日本の野鳥」
沖縄野鳥研究会「沖縄の野鳥」