沖縄野鳥

ミサゴ

足で魚を捕まえる水が得意な猛禽類

ミサゴは、主に魚を食べる海の猛禽類で、ワシ・タカ類の中で唯一水に潜ることができる鳥です。北海道や東北では夏鳥、南西諸島では冬鳥として見られ、その他の地域では留鳥として定着しています。沖縄でも一年中観察されますが、越夏個体もしばしば見られるが、営巣の記録がないため、主に冬鳥と考えられています。

世界中に分布するミサゴ

湖の中央のマングローブ林へ着陸する様子 - 2025.02.11 漫湖(沖縄県豊見城市豊見城)

生息域は広く、海岸や大きな河川、ダム湖などで狩りを行い、海岸の崖や樹木の上、大きな湖沼で営巣します。近年では内陸部での繁殖も増えているようです。1970年代には農薬や水質汚染の影響で個体数が減少しましたが、現在は回復し、分散力の高さから世界中に分布しています。
一方、ミサゴは、ミサゴ科で唯一の種で、種分化を起こしていない珍しい存在でもあります。

水の中の魚を足でつかむ

足で捉えた魚を食べる様子 - 2025.02.23 海辺(沖縄県豊見城市与根)
足で捉えた魚を食べる様子 - 2025.02.23 海辺(沖縄県豊見城市与根)

翼を広げると1.6mもの大きさになり、細長い翼の下面は白く、上空を飛ぶ姿が特徴的です。獲物のほとんどは魚で、高い場所からホバリングしながら獲物を探し、水中に急降下して足で捕まえます。アジサシやカワセミのように嘴ではなく、足指の裏にある滑り止めを使ってしっかりと魚をつかむのが特徴です。ときには自分より大きな魚を捕まえ、足が抜けずに命を落とすこともあると言われています。なんと…
また、天候が悪く魚が獲りにくい時には、弱った鳥類、両生類、甲殻類なども食べることがあるそうです。

上空を飛行する - 2025.02.11 漫湖(沖縄県豊見城市豊見城)

縄張りから離れた場所ではあまり鳴かないそうですが、繁殖期には「ピョピョ」と細い声で鳴き、警戒時には「キッキッ」と鳴きます。

参考:
植村慎吾「決定版 見分け方と鳴き声野鳥図鑑350」
国立科学博物館「鳥〜ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系譜〜」
高野伸二「フィールドガイド日本の野鳥」
漫湖水鳥・湿地センター「漫湖いきもの図鑑」
北海道開発局「ミサゴ」

タカ目の仲間